ドローンの頭脳であるフライトコントローラーのファームウェア(レーシング/FPV向け)について調査したので、備忘録として残しておきます。
目次
レーシング/FPV向けフライトコントローラーのファームウェア
(調査時期:2019年4月)
フライトコントローラーのファームウェアについて記載されているWebページを調査した。日本語のページは全然出てこなかった。。。
レーシング/FPV向けのフライトコントローラーのファームウェアとしては以下がある。
- Cleanflight
- Betaflight
- Butterflight
- Raceflight(FlightOne)
- KISS
- dRonin
【参考Webページ】
- Complete List of Flight Controller Firmware Projects | DRONE TREST
- 上にあげたファームウェアのほとんどをカバーしている英語のホームページ。2018年6月に更新しているので、割と新しい。
- FLIGHT CONTROLLER FIRMWARE OVERVIEW | OscarLiang.com
- 2017年5月に投稿されているので、少し古いが、上にあげたファームウェアの一部をカバーしている英語のホームページ。
Cleanflight
引用元:https://github.com/cleanflight/cleanflight
Cleanflightは、様々な形状やモーター数のドローンに対応できるオープンソースのフライトコントローラーソフトウェアである。もともとMultiwiiで開発されていた8ビットMPU向けのコードをCleanflightとして32ビット向けソフトウェアにした。
Cleanflightの開発は、Betaflight側で最新の機能の開発を行い、あとからCleanflightに対してBetaflightの機能を統合するような進め方を進めているようだ。そのため、最新の機能を利用したい場合はBetaFlightを推奨している。
ファームウェアのダウンロード
ライセンス:GPLv3 (ライセンス情報はこちら)
対象となるハードウェア
公式コミュニティ
メモ
- F1系のフライトコントローラは2017年後半で非サポートになった。NAZEなどのフライトコントローラを購入時には気を付けること。
IMPORTANT NOTICE: Support for STM32F1 based flight controllers will be removed in late 2017, this includes NAZE, CC3D (original) and CJMCU like flight controllers.
参照元:https://github.com/cleanflight/cleanflight
参考Webページ
- Cleanflight Homepage
- Cleanflight wiki
- 「 Cleanflight設定 」一覧 | 須磨模型.com
- 画像付きでCleanFlightの導入の仕方をまとめている。(2017年4月ごろ投稿)
Betaflight
引用元: https://github.com/betaflight/betaflight/wiki
Betaflightは、Cleanflightからレーシング/FPVに特化するために派生したオープンソースのフライトコントローラーソフトウェアである。
多数のフライトコントローラーに対応しており、現在最も人気のあるレーシング/FPV向けのファームウェアである。
ファームウェアのダウンロード
ライセンス: GPLv3 (ライセンス情報はこちら)
対象となるハードウェア
公式コミュニティ
メモ
- Betaflight 4.0以降はSTM32F3ベースのフライトコントローラーは非サポートとなる。メモリの容量が足りないのが理由のようなため、最新のBetaflightを使用する場合は、F4,F7のようなF3より高性能なMPUを使用したほうがよさそう。
End of active development for STM32F3 based flight controllers
引用元:https://github.com/betaflight/betaflight
For a while now, development of Betaflight for flight controllers based on the STM32F3 chip has been hampered by a severe limitation that this chip has: Unlike the STM32F4 and STM32F7 models, the STM32F3 versions that are used on flight controllers have only a very limited amount of flash space available to fit the firmware into.
- EEPROMは256KBより大きいボードがよい。
NOTE: Users are advised against purhasing boards that have CPUs with less than 256KB of EEPROM space - available features may be limited.
引用元:https://github.com/martinbudden/betaflight/blob/master/docs/Boards.md
参考Webページ
- Betaflight Homepage
- Betaflight wiki
- Betaflightのインストール方法 | Yuckey Lab
- インストール手順が画像付きで詳細に記載されている。(2018年9月投稿)
Butterflight
引用元:http://butterflight.co/
Butterflightは、Betaflightから派生したオープンソースのフライトコントローラーソフトウェアである。
Betaflightとの大きな違いは、Butterflightはジャイロ用のソフトウェアフィルタリングにKalmanフィルターを採用している。
ファームウェアのダウンロード
ライセンス:GPLv3 (ライセンス情報はこちら)
対象となるハードウェア
公式コミュニティ
不明。
Slackならあり。(Slackはこちら)
参考Webページ
- Butterflight Homepage
- 【Betaflight】Butterflight(バターフライト)の歴史と派生、今後について | トイクアッド・ドローンとFPVレースに夢中!
- Butterflightの開発背景などがまとめられている。(2018年4月投稿)
Raceflight(FlightOne)
引用元:https://wiki.flightone.com
FlightOneはRaceflightから名称を変えたハードウェアおよびソフトウェアを提供するプロジェクト。ハードウェアはFlightOne専用のもの。ソフトウェアはバイナリ形式での提供。
ファームウェアのダウンロード
ライセンス:不明(バイナリ形式での提供)
対象となるハードウェア
対象となるハードウェアは、FlightOne専用のもの。
公式コミュニティ
参考Webページ
KISS
引用元:http://kiss.flyduino.net/
KISSはFlyduinoによってドローン向けに開発されたクローズドなソースコードプロジェクト。ソースコードはFlyDuinoのKISSボード上でしか動作しない。
しかし、Betaflightと比較して設定などがシンプルで使いやすい。
As the name suggests, this project is aimed to Keep It Super Simple.
引用元:https://blog.dronetrest.com/flight-controller-firmware/
The configuration software has a lot less flexibility when compared to betaflight, but this makes it easy to use.
ファームウェアのダウンロード
ライセンス:不明(バイナリ形式での提供)
- KISSのソースコードダウンロードページ
- KISSのソースコードは、使用するハードウェアに合わせて用意されている。
対象となるハードウェア
KISSのファームウェアはFlyduino製のボード上でしか動作しない。
【KISS製のフライトコントローラ】
フライトコントローラーに合わせて、ESCもKISS製のものにする必要がある。
【KISS製のESC】
公式コミュニティ
参考Webページ
- KISS Homepage
- Complete List of Flight Controller Firmware Projects | DRONE TREST
- フライトコンロ―ラのファームウェアのほとんどをカバーしている英語のホームページ。2018年6月に更新しているので、割と新しい。
dRonin
引用元:https://dronin.org/
dRoninはOpenPilotから派生したドローンなどを制御するためのオープンソースなソフトウェア。 dRoninはパラメータの自動調整機能を持っており、チューニングが容易にできる。
ファームウェアのダウンロード
ライセンス:GPLv3 (ライセンス情報はこちら)
対象となるハードウェア
Choosing a flight controller for dRonin
公式コミュニティ
参考Webページ
まとめ
本記事では、レーシング/FPV向けのフライトコントローラに乗せるファームウェアについて調査した。上で挙げたファームウェアの中では、多数のフライトコントローラーに対応しており、最近人気なBetaflightが良さそう。
Google Trendsで各ファームウェアについて比較してみると、Betaflightの人気度が分かる。(下の図の赤がBetaflightを示す。)
実際にBetaflightを飛ばしてみて、自分の好みがわかってきたら、好みに合わせてCleanflightやButterflightにチャレンジするのも良いかも。
FlightOneやKISSのような、対応するハードウェアやファームウェアが自社製のみ対応している場合、サードベンダが参入しづらく、ハードウェア(ドローンのパーツ類)が高い傾向にある。そのため、個人的には手を出しづらい。(そのファームウェアにしかない独自機能/特性などあれば、、、どっちみち自分の好みが分からないと判断できない。)
関連情報
フライトコントローラーのファームウェアまとめ(2019年度)
まとめページ(2019年度)
オートフライト向けフライトコントローラのファームウェアまとめ(2019年度)
非活性なフライトコントローラのファームウェアまとめ(2019年度)
ドローン関連の調査について
その他の部品について気を付けることや部品の検討については以下。
以上。
コメント